【DDDNHE2021】4Ringsパフォーマンス分析

ダブルダッチ

今回はダブルダッチデライトネクストヒーローズイースト2021のアドバンスド部門に今年から参入した4Ringsがなんと1位を獲得。アドバンスド部門は高校3年生までの部門ですが圧倒的な世界観と表現を見せつけて王座につきました。その強さはどこにあったのか。。。

パフォーマンスを分析していきたいと思います。

経歴

DDDNHE2019 Novice部門 8位

DDDNHE2020 Novice部門 1位

DDDJ2020 Novice部門 3位

DDCJ2020 Junior部門 4位

DDDNHE2021 Advanced部門 1位

DDDJ2021 Advanced部門 3位

点数

今回分析したのはDDDNHE2021の時、1位になったパフォーマンスです。配点は以下。

総合点:91
技術力:18(イワネスインセイン)
表現力:17(REINA)
構成力:18(Yamato)
独創性:20(Kozy a.k.a JUNKNESS)
完成度:18(KAI)

配点

チーム情報

所属はBe Color(旧:Skill Hack School) メンバーは3名。

  • 安定したステップダンスと3倍が特徴。「SONO」(肩スカーフ)
  • 強い眼力と情熱的ダンスが特徴。「KOHARU」(腰スカーフ)
  • 要所で見せる強い印象と魅惑的な振りが特徴。「NANAKO」(ツインお団子髪)
メンバー

構成・内容

雰囲気

スタイルとしてはかなりシックかつ前衛的。
無表情でも無感情ではなかったりと驚異的な表現力を持つ。

流れとしては、

「3人でつくるOP→ダブルダッチステップダンス→ハリー→3倍→情熱と余韻のED(伏線回収)」

パフォーマンス時間:173秒

衣装:パステルブルーに山吹色の差し色

パフォーマンス分析

(E→Eight、C→Count、アー写→写真Point

1曲目

イントロ

板付き。動き出しがめちゃめちゃ難しいですがかなりタイミングを合わせています。

手を広げる音ハメの部分もかなり難しいと思いますがバッチリと合わせてきてしれっと伏線を張ってきます。

1ー2E

縄を置きつつ配置転換。

縄の置き方も独特なのだが、曲と動きの合わせ方はどうやっているのかぜひ聞いてみたい。SONOさんと両サイドの動きが綺麗に揃っているので見ていて「繊細さ」と「強さ」を感じる。

3ー5E

NANAKOさんのダンスステップだけでなくターナーがその動きに合わせて動いているのが秀逸。3人チームの弱点である「一体感」や「立体感」、「ムーブの厚み」を解消することが可能。

6ー8E

6ー1でシャー

NANAKOさんセンターからシャーでジャンパーはKOHARUさんへ。NANAKOさんパートと同じく3人で同じステップを決めてくると思いきやA面を連続して行うというターナー主張の強いムーブを入れてくるのも楽しい部分。

2曲目

9ー10.5E

OPパート終了。ターナーチェンジと雰囲気の一区切りを同時に行っている。

ターナーチェンジはジャンパーのKOHARUさんを軸にチェンジすることで縄の位置を舞台向かって左に移動させている上、SONOさんが移動している部分も勢いが出てから縄中にエントリーするので緩急があるように感じました。

11ー13E

SONOさんパート

最初の1Eは8ビートでノリを見せつつ次の1Eでしれっとハリーを挟んでくるあたりもオシャレですね。

13Eの部分は縄から出て周囲を回っていくのですが個人的にここのムーブの意図が汲み取れず悔しいです。。。

3曲目

14E

シャーからの反り。

ここで縄を張ることで縄の中心を舞台中央に移動している。

15ー18E

NANAKOさん、ここで突然アグレッシブなダンスに。

アー写ポイントも取り入れているのでOP終わりの通常テンション下がりがちな場面でもかなり記憶に残りやすいパートになっている。

19ー20E

ポージングで目線がNANAKOさんに集まっている中でユニークな技をNANAKOさんが行うのは見せ方的にもとても良いですね。シャーをしてKOHARUさんがメインになると思いきやそうでは無いところもちょっとした裏切りで面白いです。「視線が散らない」「予想がしやすい」3人チームのデメリットをうまく解消しているなと思います。

4曲目

21ー24E

曲がハリー時の曲のイントロに変化

3人での縄技、よく見る鉄板の技も入れていますね。そしてここで左右両方のターナーがカウボーイ。ここで次のハリームーブへの勢い付け兼冒頭シーンの思い出させをしているのかなと思いました。

KOHARUさんのスタンディングがバチッと決まってて良いですね。

25ー28E

ハリーパート&0シャー

カッコイィ。。。

このパートはかなりイケメンで綺麗です。

KOHARUさんのガン付けたシンプル面ハリーもさることながらシャー→転回をサラッと挟み込みながら始まるNANAKOさんのモーグルハリーも素晴らしいです。

そして注目したいのが0シャー。綺麗すぎません?ターナーの距離が近づきがちなのですがそのように0シャーをすると3倍の時に縄が弛んで回らなくなってしまいます。

安定感や技術力をアピールする良いワンムーブだったと感じました。

29−32E

3倍パート

4E構成で前2Eはかなりベーシックな3倍で跳べるんですアピールを存分にした上で後半ではターナーがしゃがんだりアイソレーションをしたりとかなり見応えのある3倍になっていました。

(最近はアクロバット同様に、ただ速い速度の3倍を4E通し切ることでは湧かなくなってしまったように感じます。)

5曲目

33ー34E

スタンディングはかなり強いアー写ポイントになっていたと感じます。

KOHARUさんのダンスパートに入っていく前の最後の序奏と言ったところでしょうか。惹きつけられるものがありますね。

35ー38E

ダンスパート

KOHARUさんのアグレッシブながらも、どこかポップなダンスステップのパートに入っていきます。ポップに感じるのはおそらくKOHARUさんの表情です。パッと明るくなったように感じますのでこのパフォーマンスで唯一の実年齢のあどけなさが垣間見える瞬間だと思います。

でもその直後に36EでSONOさんのストップで雰囲気をグッと抑えてEDの曲調に合わせていきシックに魅せています。印象を一貫ではなく切り替えできるとか凄すぎ。。。

39ー40E

ED&伏線回収

ここは無難なステップをSONOさんが跳びつつ伏線回収だけすれば良いパートだとも思ったんですが、ここでも演出が!

SONOさんが40E目で行う体勢を徐々に下げるムーブですがダブルダッチプレイヤーなら分かると思うのですが体制を低くしていくムーブは「引っかかるリスクが高まる」のです。そこで自然と目線が足下及びロープに集中していき、そして40ー4CでロープがセパレートしOPで行ったムーブと同じ動きを同じ立ち位置で行ってくる。

今大会最も玄人を沸かせたムーブだったのでは無いでしょうか。最後の最後でビックサプライズ。まさにもう一度観たくなるパフォーマンスでした。

所感及び審査

私は審査できる立場ではないですが各項目を「最高(4)、良い(3)、悪くない(2)、いまいち(1)」の20点満点で評価するならば下記の通りとなる。

合計点:17/20

技術力:4/4

ダブルダッチのロープのなかで行われる各技を評価し審査する。

特に「ジャンパー・ターナーの安定感」「ロープがたるまない綺麗さ」「ターニングのリズム感」を中心に、各技(ロープトリック、ジャンプトリック、アクロバットなど)の習得レベルを審査する。

「遅いスピードの縄から3倍の縄、0シャー、ロープトリックに至るまで全ての縄が安定して綺麗。不安に感じる部分がなかったです。ジャンプトリックも同じく不安に感じるような部分はなく、全体を通してレベルがとても高かったです。」

表現力:3/4

衣装、表現方法、曲の雰囲気に合わせた表現方法、全てが洗練されているか審査する。

特に「曲・衣装・パフォーマンスの一体感」「チームメンバー全員の表現力の統一感・イメージの共有」「ジャンパーはもちろんのこと、ジャンパー以外の動きも含めた表現方法」などを中心に、パフォーマンスをより効果的に見せる工夫を審査する。

「1曲目のパフォーマンスは3人での表現をすることで3人なのにも関わらず厚みのある演技になっている。曲の雰囲気に合わせた表現方法は秀逸であるが衣装は表情や雰囲気と異なり少しポップな印象を受ける。

構成力:4/4

演技全体の演出方法を審査する。

特に「オープニング、エンディングの演出」「使用する曲と演技の融合感」「メリハリ」「技間のスムーズさ」「インパクト」「ステージの広さを生かした演出」などを中心に、パフォーマンス一連の流れを一つにまとめ上げることができているか否か審査する。

「オープニング、エンディングの演出は見事な伏線とその回収になっていた。曲のテンポに波があり退屈させることがないが特筆して記憶に残るパートがないのは少々残念な所。ステージの広さを活かした演技というものについても3人チームの弱点だろう。

独創性:2/4

チームの特色、他のチームにはない観客を引きつける独自の技、演出や曲の使用法を審査する。

特に「これまでに行われていない、もしくはあまり行われていないロープトリックやジャンパートリック」「スピードステップ」「技の組み合わせ方」「新しい見せ方」などを中心に、表現されるそれぞれの個性を審査する。

「独自性として評価したい部分は片手で持ちつつ自分が跳ぶ技です。その他は私が見つけられていないだけかも知れませんですが、ユニークなものは感じませんでした。このチームの特色は圧倒的な安定感と練度によって表現される3人の個性だから仕方が無いとも思います。」

完成度:4/4

一つのパフォーマンスとしての完成度を審査する。

特に「パフォーマンス全体を通した演技の安定感」「ダンスなど複数人で行う演技・技は統一されているか」「ミスがない」などを中心に全体の熟練度・成熟度を審査し、難易度に応じて評価する。

「パフォーマンス全体が安定しており、技のテイストも統一されていた。ミスも見受けられず、全体を通した熟練度は非常に高かったです。安定感があってこそダンス力や演技力、伏線とその回収が狙った通り機能しているのでまさに「攻め」の完成度です。」

動画

https://www.youtube.com/watch?v=MlD0yz_fIX4
https://www.youtube.com/watch?v=vKUZrodltlk
https://www.youtube.com/watch?v=hZniSo0lbS8
https://www.youtube.com/watch?v=mYkMl-q4uYY