総評を元にジャッジから見たDDDE2020を見てみたい

ダブルダッチ

抜粋して記載し、分析。

次につながるように総評を私なりに読み解いて来年のダブルダッチを予想!

【オリジナル】Kozy a.k.a JUNKNESS

①「見たことのないムーブ・組み合わせ」をしているか。
②「こう来るだろう」という予想を裏切ってくれるか。

①については、
これまで見たことのない技を新たに生み出せているか、
または例えばアクロバット直後の何かであったり、ダンスしながら縄を触ったりなど、
技と技を組み合わせて新しい一つのムーブとして魅せられているか、
ということが大事なポイントとなります。
②については、
例えばシャーに行くと見せかけて踊るとか、終わったと思わせて終わらないなど、
誰もが予想できるものをそのまま披露するのではなく、
そこから気持ちのいい新しい裏切りをどれだけ演技内に入れられるかが大事なポイントとなります。

今大会は全体的に有名な選手がやってる技をそのまま取り入れてるチームが例年より多い印象でした。
そのまま出来るからといって自分のオリジナリティにはならないので、
そこから新しいものに繋げたり、違う縄の通し方などの工夫をもっとみたかったです。

クロの分析と見解

ジャッジから見た今大会は
「練度が低く既視感の多い出場者から、自分が見たことのないムーブをしている。その上観客が見ている間は見える部分は細部まで気を抜かないプロ意識があるチームを探す。」
という大会だったのではないかと思いました。

来年のオリジナリティ予想
 来年の大会は、有名な選手の技をそのまま取り入れることを避けてシンプル且つ見たことのない技を入れているチームが多いかもしれません。
 難しいことをやるよりもシンプルで基礎的な縄をジャンパーに絡めて行うチームが増えるかもしれません。
これで発生する懸念としては
「やったことないけどそれはカッコよくないし面白くないですよ」
というムーブが乱立する可能性です。
シンプルで基礎的な縄なのでかなり挑戦のハードルが低いんですが、
これは「観客視点」が欠如した瞬間に「つまらない自己満足ムーブ」に成り果てます。
全チームコメントをする立場としてはあまりにも自己満足ムーブが続くと辛いです。

王道ムーブであれば見やすいけど飽きる。
創意工夫のあるチームは見ていて楽しいが疲れる。
ということでこの真ん中を行く面白いチームの出現を期待します。
ただし!こうくるだろうという予想を裏切るのなら、その予想を上回らねばなりません。

【表現力】 MAYU(Mrs.DOUBLE DUTCH)

チームの持つスタイルの一貫性と、
更にそれがどこまで洗練されていたか(クオリティーを上げられていたか)が勝敗を分けていたと感じます。

表現力項目を構成する要素は、
衣装や髪型やメイクなどの見た目、曲、動きやフォーメーション、表情など多岐に渡ります。


いつも私が審査する時に思っているのは、『表現に答えはなく、どんな形の表現でも突き詰めれば人の心を掴める』ということです。

悩み抜いて決めた自分達のスタイルは自分達が1番愛せると思うし、だからきっと限界まで突き詰めるから洗練されていくし、軸が定まっているから曲や衣装、表情に一貫性が出てくるはずです。
そうなって初めて見ている人を魅了できたり、心躍らせたり、自分達の思うツボのごとく湧き上がらせることができるんだと思います。
 悩んで模索し、そのスタイルを信じてクオリティーを高めていった先に、また新しい自分達が見えてくると思います。ぜひ、表現の可能性にチャレンジしてみて下さい!

クロの分析と見解

ジャッジから見た今大会は
「『MYスタイル』を持っていて且つそれを押し出せる技術力と余裕を持っているチームを見つける。そのスタイルは人それぞれなので正解はないがチームでそれが統一されているかブレているかはわかる。」
という大会だったのではないかと思いました。

来年の表現力予想
 表現力を構成する要素はMAYUさんの言う通り「衣装」「髪型」「メイク」「曲」「動き」「フォーメーション」「表情」など様々ありますが、これらは全て枝葉となります。
上記全てがきちんと統一され、一貫性のあるスタイルに則して組み立てられているか?
 すごく大事です。全チームコメントでも何チームかに書きましたが見た目と曲とやっていることがチグハグで見ていて混乱すると言うことがありました。
来年は是非私のチームのコンセプトは「OOOOO」ですと一言で言えて、それが伝わることを目標にしたチームが増えてくださることを信じてます。
 これによって最近多い「ミュージカルスタイル」がさらに増えるかなと思います。

 3年目以上の方々にはわかると思いますが、「衣装」と「立ち姿」で
そのチームが何年生で実力がどのくらいかは見抜かれています。
 期待を持って一生懸命作ったデモを見てもらいたかったらまずそこに意識を向けてください。

【構成力】 Yamato (SNOWMAN)

構成力ということで、“「オープニング」と「エンディング」の演出や各ムーブの配置がどの程度優れているか”、そして“各ムーブの間の繋ぎの部分が、チームの雰囲気と大きくずれていたり、気になるレベルでスカスカだったりしないか”、という観点で点数を付けました。

DDDN2020の総評より

<高得点とそうでないチームの違いについて>

Next Heroes Eastと同じ話になってしまいますが、少なくとも周りのチームとは違う”何か”がないと高得点はつきません。
技の質も他のチームと同程度、デモの雰囲気・コンセプトもよくあるもの、ムーブの配置も王道、であれば、正直印象には残らず、点数はなかなか上がりません。
まず、自分たちは何が得意で何が苦手なのか、自分たちは何が好きなのか、自分たちは何を魅せたいのか、をチームでよく話し合ってください。ここが足りていない印象を受けたチームが多かったです。
その上で、技の質が圧倒的に高いのか、雰囲気・コンセプトが独特なのか、ムーブの配置に驚きがあるのか、周りのチームとは違う”ここ”で勝負する、というのを明確にした上で、パフォーマンス作りに取り組んでもらえれば、得点も上がってくると思います。

クロの分析と見解

ジャッジから見た今大会は
「自分達のやりたいことが一方向に定まってて、あっちこっちに行かず詰まらず空かずに流れるようにデモが進んでいく一個のパフォーマンスとしてまとめられているチームが好き。他のチームとは圧倒的に違う『技』や『雰囲気の演出』が出来ていないチームは覚えられない。」
という大会だったのではないかと思いました。

来年の構成力予想
構成は流行り廃りがあるわけではないので「「オープニング」と「エンディング」の演出や各ムーブの配置がどの程度優れているか、そして各ムーブの間の繋ぎの部分が、チームの雰囲気と大きくずれていたり、気になるレベルでスカスカだったりしないか」を意識してデモを作成しているのか。そこまで意識を回せるのか。が重要になってきます。

よって、印象に残るデモを上記の規則に則って作成したら自ずと良い成績を得られるでしょう。

【技術力】 iwaness insane (SOULFUL ARTTRACTION)

<はじめに>(ここが一番大事と私は思います。)

NORTHの総評でも触れましたが、皆さんターニングだけでなくジャンプの技術も磨いていますか? 正直言うと全体的にジャンプを疎かにしているチームが多いと感じました。これはダブルダッチの大会です。踊りと表情に自信あるけどロープを全然跳んでいないあなた、あなたより上手なダンサーなんていくらでもいます。一抜けで宙返りをしているあなた、その辺の体操選手のほうがよほどクオリティが高いです。二本のロープの中で限界に挑むのがダブルダッチの良さだと私は考えます。これからはダブルダッチャーである自覚と誇りを持ってステージに立ってください。

クロの分析と見解

ジャッジから見た今大会に対するジャッジの思いは
「ダブルダッチの本質を忘れないようにし、個性を顕現させて欲しい」との願いのようなものを感じました。
私もクオリティの差が非常に大きくなってきており、上位チームの繋ぎとしてしか機能していない大会になりつつある気がします。全員のクオリティが等しく高いということは不可能です。ですが各校が来年いい感じになるかもといった「可能性」が感じられず…
だんだんとD.S.P.一強オーラが強まってきておりますが他の大学にも台頭してきてもらいたいものです。

来年の技術力予想
技術力は正直な話、年々下降傾向にあると思います。
ジャッジが言っている「縄の使い方がシンプルすぎる」というのは縄を考えていないわけではなく、「縄の中で複雑な動きをしているものを通すことができない」ことが真実では無いかと思います。勝ちにこだわるあまり、ミスをしたく無いがあまりに全く面白く無いものを観客にお届けしないようにダブルダッチを楽しんでいって欲しいです。

【完成度】 REINA(Mrs.DOUBLE DUTCH)

<全体を通して>

一番の印象としては、見ているこちらが悔しくなるほどミスが多かったです。一つのミスから次々とミスが起こる傾向にありました。
また、音が始まり音の余韻がなくなるまでが一つのパフォーマンスであり、ステージに立っている以上、最後までやりきることがパフォーマーだと私は思います。
その点も意識してみてください。

<高得点を取るためには>

完成度の審査基準に記載されている「”一つのパフォーマンスとして”の完成度」こことても重要ですね。完成度とミス数は切っても切れない関係ですが、私はミスだけに着目していたわけではありません。パフォーマーとしてミスがあっても見ている人をもう一度パフォーマンスに引き込む力を持っているか。そして、パフォーマンスを見終えた時にどのような見応えがあったのか。後者に関しては、ミスが少なかったり、ノーミスのパフォーマンスであっても、評価は変わります。
パフォーマンスはパフォーマーと見ている人がいて成り立ちます。自分たちがやっていて気持ちの良いパフォーマンス、見ている人がのめり込んでしまうパフォーマンス、この二つが織り交ぜられたパフォーマンス作りを心がけて欲しいです。

クロの分析と見解

ジャッジから見た今大会は
「ミスが多いが、それを感じさせないパフォーマンスを見れたときの満足感がいい。」
終わり良ければ全て良し。とは言い過ぎかもしれませんが、実際に私のような分析屋さんがじっくり見て点数が決まるわけでも、10回目に見たときに誰かの心に残るわけでもないので大会の一発を気持ちよく終わることはやはり重要な要素ですね。

来年の完成力予想
ある程度のミスを許容しつつパフォーマンスにユニークさを持たせて、ミスよりもチームとして面白かったという別の印象をつけてしまうことで総合的にOKを勝ち取ろうとするチームが増えるかもしれません。
来年には「ミスは多いが面白いチームが増えた」と言われるかもしれません。